電子レンジの仕組み

こんにちは!今や生活に欠かすことのできない電子レンジ。食べ物を入れてスイッチを押すだけで、簡単に温めることができます。
当たり前の存在になってますが、よくよく考えるとどうして温められるのか不思議ですよね。

くらい電子レンジの中が明るくなって、ブーンって音が鳴ってる間に何がおこっているのでしょう?

今回はそんな不思議あふれる電子レンジの仕組みについて解説していきます。

電子レンジの原理

電子レンジの中にはマグネトロンという装置があります。これは、電波の一種であるマイクロ波が放出する装置です。このマイクロ波が電子レンジの中で、食品の中の水分子を振動や回転させて加熱します。

この加熱方式は、誘電加熱と呼ばれています。

これだけだとよく分からないので、もう少し詳しく解説しましょう。

マイクロ波って何?

マイクロ波は電波の一種です。電波は、電気を持つものを動かす力のある電場の波です。波だから1秒間に何回も振動します。
マイクロ波は1秒間に3億~3000億回振動する電波です。このことを、周波数が300MHz~300GHzだ、と言います。

特に電子レンジで使われるマイクロ波は、周波数2450MHz(1秒間に24億5千万回)。波長(波の一往復の長さ)は12cmです。

水分子

水分子は、酸素原子を挟んで2つの水素原子が「く」の字に折れ曲がった形をしています。原子は電子の引っ張りやすさ(電気陰性度)が違うので、酸素は「-」、水素は「+」の電気を少しだけ帯びます。

マイクロ波と水分子

マイクロ波は、電気を持ったものを動かす力のある電場の波。水分子は、電気を持ってる酸素と水素でできています。

だから、マイクロ波が当たると、水分子はマイクロ波に揺らされて、振動したり回転したりします。この水分子の運動が熱の源です。

ちなみに、マイクロ波の周波数2450MHzは、水分子がとても振動しやすい周波数、すなわち共鳴周波数なのです。

マグネトロン

マグネトロンはマイクロ波を放出する装置です。

マグネトロンは真空管でできています。
真空管には陰極と陽極があって、電圧をかけると電子が陰極から陽極に向かって飛び出します。

陰極と陽極の間に磁場をかけると、電子は陽極まで届かないで回転運動をします。
この回転運動のエネルギーをアンテナを使って取り出すのがマグネトロンです。

電子レンジの工夫

電子レンジの原理が分かったところで、電子レンジを便利に使えるようにするための工夫を紹介します。

金属箱

電子レンジは中は空洞なのに、持ってみると意外と重いです。これは、電子レンジは実は金属の箱だからです。

金属には電波を反射する性質があります。
「金属光沢」という言葉は聞いたことありますよね?電磁波の一種の光をよく反射するように金属はマイクロ波も反射します。

そうして、マイクロ波が電子レンジの中の食品に効率よく集まるように設計されています。

金網

電子レンジの窓には網が張ってあります。中が見にくくなるのに何であるのだろう?と思ったことがあるかもしれません。でも、この網はとても大切なのです。

電子レンジの中では、マイクロ波が食品の中の水分子を加熱していました。もし、このマイクロ波が電子レンジの外に出てしまったら大変なことになります。
電子レンジの外にも水分を含んだものはありますし、中を除いてる顔にも水分がたくさんあります。

マイクロ波が外に漏れては危ないです。
網は、マイクロ波が外に漏れないようにしながら、電子レンジの中が見えるようにしているのです。

網は金属でできていて、マイクロ波を反射します。穴は、マイクロ波の波長(12cm)より小さく設計されているので、マイクロ波が穴を通って外に出てくることはありません。

こうして、危険なマイクロ波を閉じ込めながら、電子レンジの中が見えるようにしているのが「網」なのです。

まとめ

電子レンジの仕組みは分かったでしょうか?大切なことをまとめました。

  • 電子レンジの原理はマイクロ波で水分子を振動させて温める誘電加熱方式。
  • マイクロ波は、マグネトロンという真空管から放出される。

身近な製品は、科学の結晶です。たくさんの人がいろんな事を考えて編み出した結果、様々な不思議なものであふれる今の生活があります。


その不思議を紐解いていくと、昔のすごい人に近づけるようで楽しいですよね。


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