IHの仕組み

こんにちは!今回のテーマはIHです。
火を使わないで電気の力で温めるIHの仕組みを紹介します。

IHの構造

IH はシンプルなフォルムですが、中には大きなコイル(誘導加熱コイル)が入っています。

鍋を置く台はトッププレートと呼ばれます。結晶化ガラスでできていて、熱や汚れに強いです。

インバータは電源から入った交流電流を目的の周波数に変換します。IHでは、10kHz~100kHzの周波数が使われています。

IH の原理

IH の名前は Induction(誘導) Heating(加熱)という意味です。電磁誘導を使って加熱することを表しています。
具体的な原理を見てみましょう。

①誘導加熱コイルに電流を流すと、磁場が発生します。この磁場はIHのトッププレートの上まで届くように設計されています。

②鍋を置くと、磁場が鍋の底を流れます。この時、鍋底にうず電流が発生します。鍋には抵抗もあるので、電流は抵抗で消費されて熱になります。

こうしてIHは鍋を加熱することができるのです。

それでは①から順番に詳しく解説していきます。

①磁場の発生

コイルに電流を流します。実はこの電流は直流ではなく、交流の電流です。
直流とは、一定でいつも変わらない流れのこと。交流は、波が引いたり寄せたりするように向きが繰り返し入れ替わる流れのことです。

電流が流れると、「アンペールの法則」が働いてコイルの周りには磁場が発生します。
電流は交流なので、発生する磁場も交流です。

この磁場は鍋を置いたときに、底の金属の中を通るように設計されています。

②渦電流の発生

IHに鍋を置くと、鍋底に交流磁場が流れます。交流だから磁力線の数が時間とともに変化するので、「ファラデーの法則」で薄い鍋底の中で磁場の周りにうず状の電流が流れます。

不思議ですが、回路を作ってあげなくても、金属の中でぐるぐると渦のように回る電流が流れることができるのです。

金属にも少しは電気抵抗があるので、電流が流れると熱が発生します。これは「オームの法則」ですね。
こうして、IHは電気の力で温めているのでした。

おまけ〜鍋底を流れる渦電流〜

鍋底を流れる電流は、「渦」と言いましたが実際には少し違います。磁場はコイルに沿って発生するので、渦電流もコイルに沿って発生します。
隣り合う渦は流れがぶつかるところで打ち消しあって、一つの大きな渦になります。それがコイルに沿ってつながるので、鍋底を流れる電流はコイルに沿った電流になり、しかも鍋底の表と裏で向きが反対になるのです。

IHの特徴

高効率

IHは鍋を直接温めるのでエネルギーの無駄が少なくて効率がとても良いです。

ガスコンロでは、火が空気を温めて、空気によって鍋を温めます。そのため、熱が逃げやすくなってしまうのです。

掃除しやすい

IHは平たく、凹凸が少ないので汚れても簡単に掃除することができます。

使えない調理器具

IHは鍋に電流を流すことで加熱していました。逆に言うと、電流を流すことのできない器具は使うことができません。

土鍋など

土鍋や陶磁器やガラスでできたものは、電気を流さない材質でできているのでIHで使うことができません。ただし、IH対応しているものもあるので使用時は確認してください。

そこが平らでない器具

底が丸まっていたり、凹凸があってIHのトッププレートと密着しないものも使うことができません。これはトッププレート表面を流れる磁場が調理器具の中に入らないで、電流を流すことができないからです。

アルミ器具対応・非対応

アルミは抵抗が小さく、電流をとても流しやすい性質を持っています。そのため、渦電流が流れても発熱しづらく、一部のIHでは扱うことができません。

中には「オールメタル対応」という、アルミにも対応したIHも販売されています。

まとめ

IHの仕組みは分かりましたか?それでは、今回のまとめです。

  • IHは Induction Heating(誘導加熱)の略
  • 誘導加熱コイルに交流電流を流して、交流磁場を発生させる。(アンペールの法則)
  • 交流磁場が鍋底を通ると渦電流が発生する。(ファラデーの法則)
  • 鍋の電気抵抗で発熱する。(オームの法則)

中学や高校で習う用語が3つも出てきました。学校で習うことも、こうして身近なところで利用されているのですね。

生活に潜む科学をもっと理解すると、世界がまた違って見えて楽しいです。それでは!


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